はじめてのフロアコーティングガイド

フローリングのお手入れの方法として、ワックスのほかにもう一つあるのが「フロアコーティング」です。

なんとなく“大掛かり”なイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、心配はご無用。

「リフォームして張り替えるほどではないけど、フローリングをもうちょっときれいにしたい」「ワックスじゃ物足りないし、ピカピカの状態を長く保ちたい」――。そんな方に、フロアコーティングの豆知識をいろいろとご紹介しちゃいます!

始める前に、まずは床材やフローリングの状態のチェックを

フロアコーティングを始める前に、どんな床材か、またどんな加工がされているかなど、まずお家のフローリングの状態をチェックしておきましょう。

床材に関しては、一般的なものは「複合フローリング」と呼ばれ、集成材や合板など、木質材料を張り合わせて加工したものです。また、木の板をそのまま使った「無垢材」と呼ばれるフローリングも多く存在します。

現在、使われることが多くなったのが、表面に木目をプリントした素材を使い、ワックスによる手入れが不要の「シートフローリング」です。

現在は、これらの床材はすべてフロアコーティングができます。しかし、すでにフロアコーティングがされていて古いコーティングを剥離する必要がある場合や、素材によっては対応できない業者もあるので注意が必要です。

フローリングだと思っていたけど、実際は木目調のクッションフロア(塩化ビニール)だった、という場合もありますので、この機会にぜひ一度チェックしてみてください。

そもそもフロアコーティングのメリットは?どんなメカニズム?

フロアコーティングとは、いろいろな樹脂や溶剤を使ってフローリングの表面を被膜で覆うコーティングのこと。このコーティングによって、美しいフローリングの状態を長期間保ちます。

最大の特徴は、床の表面を特殊な加工によって樹脂の膜で覆うことで、キズのつきにくい強度が得られること。

薬品や溶剤による人体へのリスクがないことも、フロアコーティングを行うメリットの一つです。

また、水や洗剤を使用しても床表面の被膜がまもってくれるので、床材自体を傷める心配もなく、毎日のお掃除が手軽にできるのもうれしいポイント。

長い期間安心して、手間や費用をかけることなくきれいな床で生活できるのが、フロアコーティングの最大の魅力なのです。

バラエティ豊富なフロアコーティングの種類いろいろ

フロアコーティングには、使う樹脂や加工法の違いによってさまざまな種類があります。

1 UVコーティング

専用の機械で光をあて、樹脂を瞬時に硬化するフロアコーティング。水や薬品、摩耗などからの耐性が高いことに加え、すべりにくい床面になることが大きな魅力です。高価であること、業者によって施工技術の差が表れやすいのも、このコーティングの特徴です。

2 ガラスコーティング

薄い樹脂膜で、光沢を抑えた、床材の風合いを活かす仕上がりになるコーティング。キズがつきにくく目立ちにくいという特徴があります。特殊な機械を必要としないコーティングのため、安く導入できるメリットがある一方で、塩素系の洗剤に弱い、新しいコーティング手法なので耐用年数が判断しづらいというデメリットがあります。

3 ウレタンコーティング

油性と水性がありますが、多く施行されているのが2種類の塗料を混ぜて硬化させる「水性ウレタンコーティング」です。有機溶剤を使用しないため、作業中のニオイや危険性を抑えられるのがメリットの一つ。硬化が早い、安く仕上げられるという特徴がある一方で、耐久性が低く耐用年数も短いというマイナス面も。

4 シリコンコーティング

簡単に施工でき、豊かな光沢を出せるため、一時期人気を集めたコーティング法です。美しい仕上がりですべりにくいフローリングを安く実現できるメリットがありますが、耐用年数が短く補修が難しいので取り扱わない業者も増えてきています。

どんな業者にフロアコーティングを依頼すべき?

では、実際にフロアコーティングを行う際に必要なことは何か。

まず大切なのは「信頼できる業者を選ぶこと」です。安さに惹かれて選んだ業者にひどい施工をされて失敗し、結果リフォームすることになって出費がかさんでしまう…。そんな事態を避けるためにも、業者選びは慎重に行いましょう。

材料費を削ったり、専門の技術を持たないアルバイトスタッフに施工させるような悪質業者を避けるのは当然のことながら、まず着目すべきはその業者が専業でフロアコーティングを行っているかどうか

中には、清掃業者や住宅メーカーが副業としてフロアコーティングをサービス化している場合もありますが、長い期間フロアコーティングを専門として事業展開している業者のほうが信用できるのは言うまでもありません。

信頼ある実績に加え、重要視したいのは安全性にこだわっているかどうか。特殊な樹脂を使用するフロアコーティングの安全性は、小さい子どもや高齢者、ペットがいるお家にとっては大きな判断基準となるはずです。

使う素材の安全性を食品レベルまで厳密に精査している業者も存在するので、安心して施工をお願いできるパートナーを探し出してみましょう。

いよいよフロアコーティングを実施!でもいつやるべき…?

ガラス、シリコン、ウレタンといった種類のフロアコーティングは自然に乾燥させるため、実施する日の気温や天候によって乾燥時間に差が出ることもあります。

UVコーティングの場合は、特殊な機械によって樹脂を硬化させるので、どんな季節に実施しても大きな違いはありません。

とはいえ、作業中はその部屋から出る必要がありますし、部屋の中のものを移動しなければいけないので、どんな季節に実施するかは検討するべきかもしれません。

フロアコーティングのベストな実施タイミングは、入居数日前の家具やモノを搬入する前。

もちろん、入居後や年数が経った時期でもフロアコーティングは可能ですが、生活する中でついてしまった傷や補修痕の処理に時間がかかることも考えられます。業者と相談して、生活を始める日から逆算して実施するのが最適な方法でしょう。

フロアコーティングの気になるお値段は?

気になるお値段については、フロアコーティングの種類や業者によって違いがありますし、お家のフローリングの状態(補修が必要な傷があるか、剥離に時間がかかるか、など)によって差が出てきます。

30平方メートルを基準とした一般的なお値段としては、UVコーティングとガラスコーティングで10〜20万円シリコンコーティングで10〜15万円ウレタンコーティングで5〜15万円というところが目安となるでしょう。

費用に関して注意しておくべき点は、「安い場合は安いなりの“理由”がある」ということ。

専門スタッフではなく技術不足のアルバイトスタッフが作業を担当する、調査や補修、施工に時間をかけずコストを抑えている――など、低価格を謳える要因がどこかにあるはずです。

「業界随一!驚きの安さ!」なんてキャッチコピーで宣伝している業者ほど、要注意かもしれませんよ…?

コーティング後、普段のお手入れはどうするべき?

キズがつきにくい強度、人体に影響しない安全性に加え、フロアコーティングの特徴・魅力となっているのがメンテナンスのしやすさ

施行後の毎日のお掃除は、床のホコリ、ゴミを取り除いて乾拭きするだけで十分なのです。しつこい汚れも、水拭きや薄めた洗剤を使った拭き掃除でキレイにすることができます。

また、水や熱、薬品にも強いフロアコーティングであれば、フローリングを傷めてしまいがちなスチームモップも使用可能。油性マジックの汚れも、中性洗剤やアルコールなどでキレイに拭き取れるので、手間をかけずにキレイなフローリングを維持することができるのです!

こうした状態は何年ぐらい保てるの?そう思う方も多いかもしれません。こちらも業者によって差がありますが、現在のところ、UVコーティングで20年以上、シリコンコーティングで10年以上、ウレタンで5年以上の保証期間が設定されている場合がほとんどです。

特別なメンテナンスなしで、美しいフローリングのお家での生活を長く楽しむために、フロアコーティングもぜひ検討してみてください!

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