ご自宅の床のお手入れをどうするべきか。年に1度の大掃除の季節がやってくるこの時期、単に掃除・水拭きをするだけではなくワックスがけを検討する方も多いはずです。その際に必ず必要となるのが、フローリングの種類をきちんと把握すること。
一口にフローリングと言ってもさまざまな種類があり、それぞれに特徴や長所・短所、メンテナンスの方法に差があります。そこで今回は、フローリングの種類についてご紹介します。
目次
まずはフローリングの分類を知ろう!
大きく「無垢」と「複合(合板)」に分類されるフローリング材
フローリング材には実にさまざまな種類があり、現在300種類を超えていると言われています。これは、床材メーカーがラインナップしているフローリング材に加え、ハウスメーカーが独自のフローリングを開発して自社の物件に採用するといったアップデートが繰り返されていることがその要因となっています。
そんな状況の中、ご自宅のフローリングの種類は数百のうちのどれなのかを詳細に見極めようとするのは困難なはず。しかし大きな分類を見極めることで、その特徴や適切なお手入れ方法を知ることは可能です。その大きな分類とは、「無垢」と「複合(合板)」という2つに分けられるフローリング材の違いです。
急速に普及した「シートフローリング」
この2つの分類に加えて知っておくべきなのが、目にすることが多くなった「シートフローリング」という種類のフローリングです。
このフローリングは「複合(合板)フローリング」の1種で、木目を印刷したシートを表面に貼り付ける構造のもの。見た目に個体差がなく、またコストパフォーマンスに優れているというメリットがあり、マンションや大型の集合住宅を中心に急速に普及しました。
新しいタイプの床材でありながら多くの住宅に採用されているシートフローリングも、大きな分類の1つとして認識しておきましょう。
フローリングの種類とそれぞれの特徴を知ろう!
木の素材をそのまま生かした「無垢フローリング」
次にそれぞれの分類ごとに、フローリングの特徴をご紹介します。
無垢フローリングは、切り出した木をそのまま加工した無垢材を材料として使用したものです。その大きな特徴は質感と美しさ、肌触りや香りなど、木のそのものの味わいを感じられるという点。
一部のものを除いたほとんどの場合、その表面に塗装が加えられています。木の魅力を感じられるというメリットがある一方で、吸湿性が高いため収縮・反りが生じやすく、水分を吸収するとフローリングの境目に隙間ができてしまうというデメリットもあります。
合板に木材を貼り合わせた「複合(合板)フローリング」
複合(合板)フローリングは、基材となる合板の上に薄い木材を貼り合わせた構造のもので、一般的に使う「フローリング」という言葉はこの種類のことを指していると言っても良いでしょう。
一般的なフローリングとして種類も多く、表面の木材を厚くした高級感あるものや、無垢フローリングのような木の自然な味わいを表現したものも登場するなど、幅広い種類のものが販売されています。
大きな特徴は、安定した材質のため収縮・反りや収縮がなく、また衝撃や摩耗にも強いという点が挙げられます。しかし、傷やシミがついた際には補修ができず、部分的な張り替えを必要とする場合があるというマイナス面もあります。
複合(合板)フローリングの1種である「シートフローリング」とは?
シートフローリングは複合(合板)フローリングの1種ですが、最大の特徴はその表面に張られたものが木材ではなく、木目をプリントしたシートであるという点。
この特徴によって、汚れや水分、細かな摩擦や薬品によってフローリングの表面を傷めるリスクが低くなるのがメリットと言えるでしょう。
その反面、非常に薄いシートを基材の表面に貼り付けた床材であるため、鋭利なものや重い家具などによって表面に傷がつきやすい、シート剥がれやすいという弱点があり、その際の補修が難しいという点が導入のデメリットとなっています。
種類を確認した上で適切なメンテナンスを!
ここまでご紹介してきた内容を見て、フローリングにはさまざまな種類が存在していて、それぞれに違った特徴や魅力があり、また材質としての強さ・弱さにも差があるということをご理解いただけたはずです。
ご自宅のフローリングをお手入れする際には、こうしたフローリングの種類とその違いを認識した上で、適切なメンテナンスを行うことが必要です。
「水拭きの際の水分を吸収しないように注意するべき」「市販のワックスはNGで専用のフローリングワックスが必要」「ワックスを塗ってはいけない」など、種類ごとの注意点を認識しないと、取り返しのつかない失敗となってしまうこともあります。
まずは床材を調べ、適切なお手入れ方法を考える。それが美しいフローリングを維持するための最善策です!